わたしはウンコたれである。決して「クソったれ」ではなく、ウンコたれなのである。威張って言う話でないのだが、思い切ってカミングアウトしようと思う。

小学一年生の頃の話である。
日曜日に両親と食事に出かけ、とある寿司屋で握り寿司を一人前平らげ、それだけでは足りずに、近くのラーメン屋でラーメンも完食した。勿論スープも飲み干した。
さて次の日、私は学校で授業中に下痢便を垂れ流してしまった。
寿司のネタは活きが良かったし、ラーメンのスープにハエの出汁が入っていた訳でもない。食中毒ではなく、単なる暴食の結果であった。
お腹が痛くてのたうちまわった記憶もないし、我慢して脂汗をかいていた訳でもなく、突然ウンコが流れ出たのである。青天の霹靂というか、寝耳に水というか、とにかく無意識に出てしまったものだから、最も驚いていたのは他ならぬ自分自身であった。
その日はそれ以上学校に居させてもらえず、担任教諭のトレパン(ジャージなどなかった時代である)に着替えさせられ、そのまま強制退去させられた。
母は菓子折りを持って担任の所へお詫びに行ったらしい。
私は非常に手間のかかるガキだった。

その後、中学生になってから、風邪で寝込んだことがある。
39℃くらいの熱が出て意識が朦朧としていたのだが、下腹部に膨満感を感じて布団の中でオナラをした・・・つもりだったのだが、出てきたのはウンコだった。
母は笑いをこらえながら私の寝グソの始末をしていた。
私は中学生になっても母親に下の始末をされている、情けない子供だった。

さすがに大人になってからは・・・やっぱりあるのだ。
あまり胃腸が丈夫ではないのでしょちゅう下痢をする。そんな時にオナラがしたいと思ったら要注意である。何故なら、それはほぼ間違いなくウンコだからだ。
ごく稀にオナラの時もあるが、たいがいはウンコである。
車を運転している時などは悲惨である。
一度、運転中にオナラをしようと、片方の尻を上げて試みた。出たと思った瞬間に違和感を感じて直ぐに止めたのだが、ほんの少し漏れてしまった。ウンコが、である。
急いで山の中に急行して、人気のないところに車を停めてパンツを確認すると、やはり茶色いシミが・・・
一頃流行ったブルセラショップに女子高生のモノだと偽って売りに行こうかとも思ったが、女子高生がこんなクタクタのトランクスを履いている訳がないだろうと思いとどまった。
それはともかく、人に見られては恥ずかしいので、窮屈な車の中でズボンを脱ぎ、パンツを脱ぎ、ついでに人が居ないのを確認してから車の陰で野グソをし、そして脱いだパンツで尻に付いたクソを拭き、その上に脱いだパンツを捨て、ズボンを履いて車に乗り、何事もなかったように街に戻った。凶悪な犯罪行為である。
用務先では、パンツを履いていないことを気取られないように細心の注意を払い、お茶を出してくれた事務員さんの純白のパンチラに、いつものように興奮することもなく「ああ、パンツ履いてて良かったね」と安堵しつつ、「オレは履いてないぞ」と心の中で言ってみたりする。
相当に動揺している。頭が普段よりも一層おかしくなっている。

人間は単なる管だ。一見複雑そうに見えるが、食って糞をして寝るだけである。
どんな美女だってウンコをする。金持ちも貧乏人も学者も、クレオパトラだって相当臭いウンコをしていたに違いない。
ただ、ウンコたれと普通の人との違いは、ウンコをすることで人に迷惑を掛けるか掛けないか、あるいはそれによって何かに支障をきたすかどうか、といった違いだけだ。

そうです。私はウンコたれなのです。