類は友を呼ぶものである。
音楽の世界というのは麻薬みたいなもんで「学生時代にちょっとかじって、社会人になって一緒に卒業しました」なんて輩が多い中、やめるタイミングを失ってしまうと、どんどん深みにハマって行ってしまう。
私なんぞは初めてギターを手にしてから早や数十年も経ってしまい、人生の大部分はギターと添い寝しているようなもんだ。
まあ、長くやっているといろんなことがあるもんで、たまにプロの方々との交流なんてこともある。
二十代の頃の話だが、私の出身地である「富良野」で大規模なJAZZフェスティバルが開かれたことがある。
私が懇意にしてもらっていた先輩たちからのお誘いで手伝うことになったのだが、出演者に関してはかなり豪華な顔ぶれだった。
んで、私は当日バーベキューを焼いて売る係だったのだが、打ち上げがすごかった。
国内の第一線で活躍する有名ミュージシャン達と一緒に酒を酌み交わすのである。しかもJAZZの人達である。興奮しないわけがない。
中でも印象に残ったのが、土岐英史氏である。酒を飲んでいるにもかかわらずとても静かで、シロートの訳の分からない話にニコニコ笑って相槌を打ってくれるのだ。
「土岐さんて、い~ひとだなぁ。」と今でも思っている。ステージに上がって豹変したって関係ない。彼は神様だ。
それとは逆に「ミュージシャンっていってもオイラと同じオスなんだ」と思ってしまった人もいる。
当時相当売れていたギタリストの某氏。私と同じ姓なので、酔った勢いで「自称あなたの従兄弟と言いふらしているんですが、この際公認して頂けませんか?」と聞いてみた。すると彼はあっさりと「いいよ。」と言ってくれた。
天下のかず・・・いやもとい、某氏である。私は有頂天になり、もっと話をしようとして気が付いた。某氏はカウンターの隅で女の子を口説いている真っ最中である。
きっと彼は私のことなんぞ憶えていないに違いない。