小さな小さなFM局の運営に携わっていた。半径500mしか電波が届かない。
最初から関わっていた訳ではないが、行きがかり上参加することになった。
当然のようにDJも担当するハメになったのだが、私は喋りの専門家ではない。
音楽の知識は一般人より少し多く持っているつもりだが、言葉で表現するのはなかなか難しい行為である。
しかしながら表現者としての試練、いや修行というべきか。
時にしどろもどろになり、おやぢギャグやら下ネタやらを連発。
鯨を食わせろとか、クリオネを食わせろとか、言いたい放題である。
更には他人の著書から断りもなく大量の文章を引用したりして・・・
これではいけない。誰が聴いているか分からないのだから、ちゃんと節度を持って臨まなくては。
とは言いながら、ゲスト(特に若い女の子)なんかがやって来ると、普段死にそうな声で喋っているくせに、途端に大声になってはしゃぎ、つい言ってはいけないことまで言ってしまうのだ。
おやぢ丸出しである。
そんな反省をしつつも、密かに若い婦女子が応援に駆けつけてくれるのを期待しながら、死ぬまでマイクに向かって囁き続けるのだ。
そう思っていた。
しかし好事魔多しである。そんな不純な動機で始めた事なぞ長続きする訳がない。
私の人生は流転の人生である。250Km離れた場所に引越しすることになって続けることが不可能になった。
後に舞い戻って別のローカル局で再び喋ることになるのだが、またもやダイナミックな引越しによって断念せざるをえなくなった。
どうも私には地域に密着した活動が向いてないようである。